弊社が誇るこだわりの羊毛について
ラ・クーン種羊毛
混血種が大半のフランス産ウールのなかでは非常に珍しく純血を保存しているウールです。
ラ・クーン種羊は、フランス南部地方の山岳地形で、朝夕の冷え込みが厳しい環境下で育てられます。
世界の三大ブルーチーズの1つといわれる「ロックフォール」というチーズは、このラ・クーン種羊のミルクからつくられます。ラ・クーン種羊保存協会(UPRA)は、このチーズの味を保つため、より純粋な血統のみを大切に飼っているのです。
従って、ウールの品質も安定しています。
ラ・クーンウールの特徴は、羊毛のステープル(繊維の長さ)が短く、1本1本の繊維のクリンプが非常に強いのが特徴です。毛色は、黄色が少々強いフランス独特のものです。
また、そのクリンプも非常に緻密なため、敷きふとん用中わたとして重要な弾力を与えてくれます。ただし、1頭当たりの産毛量は洗い上がりで0.5kgと非常に少なく、大変貴重な羊毛です。
ラ・クーンウールに化炭加工処理を施し、夾雑物(わら屑・糞など)をほとんど除去した状態で中わたに使用しますので大変衛生的です。
(植物性夾雑物の残留率は、0.03%以下。清浄度は200m/m以上。)
このラ・クーンウールに化炭加工を施したものは、フランス羊毛協会認定の「レーヌマーク」のプレミアム規格の品質基準に適合するものです。
弊社では、40年前からこのラ・クーン種ウールの魅力に取りつかれ使用し続けています。
アルルメリノ種羊毛
アルルメリノ種羊は、フランス羊毛品質向上のため、ルイ16世が所有していた高品質なメリノ種羊から始まります。
フランス南東部の<PROVENCE ALPES COTE D’ADUR>
(プロヴァンス アルプ コートダジュール地域圏)で主に飼育されています。
アルルメリノ種の起源は元々この地域にいた羊と18世紀の終わりに輸入されたスペインのメリノ種とのクロスブレッドになります。
屋外飼育が中心で冬は平野・夏は山間部で放牧されます。
現在の羊頭数は約25万頭で1頭あたり約1.2㎏(洗い上がり)採取できます。
平均繊維直径(細さ)は22μ、 平均繊維長は約60m/mで他国産のメリノ種と比べて弾力性とふくらみの良さが特徴です。
アルルメリノ種羊毛は、フィッシャーマンニットや毛布に多く用いられます。
弊社で使用するアルルメリノ種羊毛は全て、化炭加工処理を施し、夾雑物(わら屑・糞など)をほとんど除去した状態で中わたに使用しますので大変衛生的です。
(植物性夾雑物の残留率は、0.03%以下。清浄度は200m/m以上。)
この羊毛はフランス羊毛協会(FWA)の「レーヌマーク」プレミアム基準に合格するものです。
化炭加工
弊社で使用するウールは全て、カーボナイズ(化炭加工)をほどこしています。
理由は、藁くず(植物性夾雑物)の混入や不快な匂いを抑えるためです。
少し専門的になりますが下記に各プロセスを説明します。
洗毛工程および洗化炭加工工程について
(※フランス BASCAUD社の例)
洗毛工程
6ボール式で、ウール1Kgあたり約10リットルの水を使用しています。
すべてのボールの水温は、50~58℃に設定されています。
第1槽では、化成ソーダを使用。
第2槽では、有機物(バイオ)の洗剤を使用。
第3槽~第5槽でリンシング(残留洗剤の除去)を行う。
第6槽では、ブリーチや防虫加工を行う。
(ウールに残留した漂白剤や防虫剤は、乾燥段階で蒸発する。)
乾燥温度は、85℃~100℃で、乾燥時間は、3~4分。
洗化炭加工工程
ウールを希硫酸(濃度10%)溶液に浸す。
次に15分~20分間120℃の温度で乾燥させる。
この段階で植物性夾雑物は炭化する。
そしてプレスし、炭化した植物性夾雑物を粉砕する。
最後に洗毛し炭化物を除去し、PHを7に調節する。
ウールビンにて2日~4日リラックスさせる。
ブリーチしたものは、7日間リラックスさせる。
ウールの契約ロット毎に、下記試験項目を確認しています。
植物性夾雑物:0.1%以下(旧JIS L 1082)
油脂分(残脂率):0.3%以下(JIS L 1096)
Ph:7±2%(JIS L 1903)
清浄度:200m/m以上(JIS L 1903)
※清浄度については試験結果にバラツキが大きいため目安程度にチェックしています。
弊社で生産するウールわたについても混綿率試験を6か月毎に実施しております。
試験結果
証明書
スチームドライ加工および中央高密度成型
まずご認識賜りたいことは、敷きふとんは使用すれば必ずへたるということです。
中わたの種類の差はあっても、中わたを使用する限り、ポリウレタンのマットレスの様なへたらない物性はありません。
然しながらウールわたの場合は、ウールの持つ天然クリンプの効果でへたりにくいことは間違いありません。縮れの多い繊維の方がへたりにくいであろう事は想像頂けると思います。
但し、いくらクリンプがあっても繊維自体に腰がないものは駄目なので、ある程度の太さがあり、且つ腰のある羊種を選定すことが重要です。
次に、このウールのクリンプも工程途中で伸びがちであります。
特に製綿カード工程でクリンプが伸びてしまいます。
そこで、高温スチームをかけ乾燥機で瞬間乾燥させることによりクリンプを回復させるわけです。このプロセスをスチーム&ドライ加工と呼び、1983年に弊社が世界に先駆けて設備導入しました。
然しながら冒頭で述べました通り60kgもの体重がかかる敷きふとんですから、へたらないということはありません。率直に申し上げて必ずへたります。この程度を少なくしたり或いは速度を鈍らせるのに苦労している次第です。
さらに、もうひとつの工夫として敷きふとん内の中わたを等分に配分せず、体重がかかる中央部の中わたの密度を多く積層することで、ご使用後に凹むというクレームを防ぐのに役立ちます。
弊社は技術とノウハウの積み重ねにより、少なくとも現在日本で生産されているウールふとんの中で、常に最高品質を維持すべく努力いたしております。